授業名:文字表現演習 担当教員:大日本タイポ組合(塚田哲也・秀親) <授業概要> 授業では、文字の形と成り立ちを知った上で、実践的なアプローチを検証する一方、あらためて再解釈や再構成 を試みる。このふたつのフェーズを通してタイポグラフィに対する理解や発想・表現を深め、文字のカタチ・コトバの意味・コミュニケーションツールとしてのみに収まらない、文字の持つ新しい可能性を探っていく。 <コンセプト> ”沈没船から発見された秘密の設計図” 戦艦の設計図を組み合わせてフォント化し、青写真に焼き込んだ。 <何故つくったか> ・青写真という写真技術に興味があったから。 ・青写真の歴史を辿ると戦艦の設計図の印刷に利用されていたから。 ・軍事系のものが好きだから。 ▶︎ 浪漫を感じるようなフォントを制作したいと思った。 <見どころ> ・まるで本当に存在するかのような設計図らしさ ・ところどころボヤけていたり、変色していたりする青写真特有の味 ・幾何学模様が生み出すスタイリッシュ、サイバー、メカニカルな雰囲気 ・青=海=戦艦のイメージがスムーズに繋がるところ <惜しかったところ> 実物の制作は計画通りにできたものの、展示の仕方に未練があった。 机や吊りの位置の関係上、どうしても見る場所から遠くなって見辛くなって しまったり、卓上の展示の内容が薄くなってしまったりなど、最終日まで 粘ったが納得のいく展示にはならず、作品自体はとても自信があるものだった だけに悔しい気持ちが強く残ってしまった。 <制作を通して> 今回初めてフォントを作り、青写真という未知の技術に挑戦できたことが とても大きな経験となった。 データでも、実験でも、より良い形を目指して繰り返し試作を作ったりどれを 作品の中に入れるか見極めたり常に判断力を必要とされた。 ここで重要なのは制作のどの場面を切り取っても楽しかったという 感情しか思い出せないことだ。 好きな色、モチーフ、やったことのない表現方法を用いる高揚感、この作品が 完成した後、まるで短距離走を全力で走りきったような達成感が残った。 難しかった部分もたくさんあったが、それも乗り越え満足のいくフォントが 作れたことは今後の制作に対してこの上ない自信になった。 <今後より良いものにするために> 展示方法は中間発表のもの(枠の中に針で刺さっている作品)が最高だったと 感じているので、最終データを小サイズに印刷し額縁に打ち直す、といった形が 一番最適だと思った。 また、青写真をパソコンやスマートフォンでも綺麗に見れるようスキャンして データ化したいと思った。