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【セミナーレポ】マーケターと人事が語る、「候補者目線」に立った採用の勝ち筋。

人口動態における変化、採用ターゲットの行動変化により、採用領域の複雑化が進んでいます。とりわけ近年では「タレントプール」や「採用ブランディング」、「リファラル採用」といった様々なキーワードが登場し、注目を集めています。その一方で、どのように各施策を全体の採用戦略に紐づけていけばいいのかわからないという採用担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

去る4月某日、ウォンテッドリー社では「あたらしい採用の常識 リクルートメント・マーケティング入門」と題し、複雑化する採用活動を一気通貫で考える新たなフレームワークとしての「リクルートメント・マーケティング」を通して、これからの採用活動の全体像を伝えるセミナーを開催しました。

リクルートメント・マーケティングが必要な理由

今回のセミナーでメインスピーカーを務めたリクルートメント・マーケティングエバンジェリストの小池弾は、採用市場が複雑化している背景として、以下の3つの重要なトレンドを挙げます。

スマートフォンの普及により求職者が自ら能動的に情報を取得するようになった現代、終身雇用モデルに支えられた従来のワークスタイルが崩れつつある中、個人のフットワークは軽くなり、生涯にわたって複数の職場を経験することがもはや当たり前の時代になっています。

これらの環境変化によって採用担当者は、「求人を出す→応募を待つ→面接をする」という受け身な姿勢をベースにした従来型の採用活動から脱却せねばならない状況にあります。

小池:
上の図は、これまでの採用活動を表したものです。選考部分のみが採用担当者の業務範囲でした。下の図が、これから採用担当者が行うべき活動プロセスになります。

転職顕在層のみならず、潜在層に対するオンライン認知を獲得し(リードジェネレーション)、継続的アプローチで志望度を高め(ナーチャリング)、相思相愛の関係を築いたメンバーが入社後にも思う存分活躍できるように環境を整える(エンプロイーサクセス)。そのためには、採用活動を点で捉えるのではなく面で捉えることが重要となってきます。

転職潜在層をターゲットにオンラインを中心とした認知獲得を行うリードジェネレーションから、入社後の社員の活躍・成長を促すエンプロイーサクセスまで、そのすべてを網羅するフレームワークがリクルートメント・マーケティングなのです。

施策に踊らされず、ターゲットに向き合うことが大事

続く第二部では、ウォンテッドリー社でマーケティングを担当する山田をまじえ、リクルートメント・マーケティングのポイントについてディスカッション形式で紹介しました。

マーケティングの観点から「ターゲットに向き合い続けること」の重要性を説く山田は、採用活動においても次々と施策に飛びつく前に、まずはターゲットの心情や行動について考えることが必要だと語ります。

山田:
採用をマーケティング的にとらえた場合、各施策の大前提として「ターゲットの仕事の探し方」を深掘りして考えなくてはいけません。具体的には、「業界・業種」「業務内容」「理念」など、求職者がどのような軸で仕事を探しているかのイメージを膨らますことがファーストステップになります。

例えば、マーケティングの仕事を探している(業務内容の軸)場合、「その人は今どんなマーケティングの仕事をしているのか?」「業務における課題・不満は何か?」といったレベルにまで落とし込んで考えていきましょう。

マーケティングではターゲットセグメントを切り分けるにあたり年齢・性別・収入などの統計学的な「デモグラフィックデータ」、心理的要因からなる「サイコグラフィックデータ」を用いますが、採用活動においても、この2つの要素を組み合わせてターゲット像を具体化することが重要になります。

山田:
ビジョンマッチの重要性がますます高まっていくこれからの採用活動においては、まずはサイコグラフィックから始めてターゲットの心情部分を掘り下げ、キャリア選択において重要視している項目を明確にするといいと思います。次に「じゃあその人って何歳くらいだっけ?」「社内でいうと誰に当てはまるかな?」とデモグラフィック(統計学的属性)を用いてアプローチすると、訴求メッセージが定まりやすくなります。

現役マーケターが重要視する採用活動の3つのポイント

1. ターゲットに一緒に働きたいと思ってもらう

効果的にリクルートメント・マーケティングを行うためには、オンラインを中心に認知を獲得し、候補者の志望度をあげるための働きかけ(リードジェネレーション〜ナーチャリング)が必要です。そのためには、ターゲットのインサイト理解が必要になってきます。

山田:
どのようにインサイトを理解するかというと、採用ターゲットの心情を考えたり採用ターゲットに似たような人が身近にいればヒアリングしつつ、色々な訴求内容の募集を作ってみる。例えば「楽しく働ける」、「最新のマーケティング手法を使っている」など。そのなかで応募率が高いもの、優秀な人が採用できたものなどを分析して、インサイトの解像度を高めていきます。
小池:
ターゲットに”いつ”アプローチするか、というタイミングも重要になりますね。例えば、他社の求人数が少ない時期を見計らって募集をしてみるなどの工夫もいいかもしれません。

また、「転職を深く考えているタイミング」で接触できると採用において圧倒的に有利になります。Wantedlyのタレントプール機能を使えば前に接触した方が転職活動が活発になっているというアラートをみることができます。

継続接触を通じてターゲットの志望度を高めていくためには「リードナーチャリング」が必須です。その成否を分けるコンテンツ内容について、山田は次のように解説します。

山田:
転職潜在層に、「僕の会社来ませんか?」と唐突に連絡をしても相手は困ることでしょう。例えば食品業界に勤めている潜在層をナーチャリングしたい場合、「食品業界のスタートアップ企業をまとめました!」といった、相手が欲しい・読んでみたいコンテンツを提供する必要があります。

コンテンツの設計は、いわば「ストーリー作り」です。時間軸と感情の変化を入れ込むことでストーリーは生まれます。下記の図のように、業界・事業・顧客・業務・人・文化・制度と項目を細分化し、それぞれに対して「過去→現在→未来」の時間軸や「ポジティブ⇄ネガティブ」の感情変化を掛け合わせて、どんなストーリーが作れるかを考えてみましょう。

2. いい人を見極める

本選考のプロセスにおいて、候補者の見極めが肝心であることに疑いようはありません。中途採用であれば構造化面接を行って評価を安定させる、新卒採用であれば長期インターンでカルチャーマッチを見極めるなど、各社で取り組みを行っていることでしょう。

では、そうした取り組みを通じて「いい人を採用できているか否か」をどのように定量観測することができるでしょうか? そこで山田は、単純な採用人数以外の指標を採用担当者のKPIとして設定することを提案します。

山田:
マーケィングでは、リードの獲得件数だけでなく最終的な受注金額や、LTVの改善効果までを測定して施策を評価します。採用領域においても同様に、入社後の活躍度合いまで含めた評価指標にすると、いい人材を採用するためのインセンティブや仕組みが生まれるのではないでしょうか。

さらに「いい人」はどのようにして自社に関心を持ってくれるのかを明らかにするため、個々のエントリの流入経路を把握することが大切。そのために、最初はいくつかの媒体を同時に運用しつつ、いいものを残していくという手法をとることが重要だとも語られました。

3. 入社後に活躍してもらう

マーケティングは「売ったら終わり」ではありません。顧客のサービス導入ストレスを軽減して継続利用を促す、成功体験を創出して口コミでサービスが広まりやすくするなど商品購入後の「カスタマーサクセス」の活動が求められます。

採用にしても同様のことが言えます。入社後のオンボーディングをスムーズにするためにチームメンバーでランチに行く、現場での活躍・成長を促し、職場定着率を高めるなど「エンプロイーサクセス」の活動が肝要です。人事を担当する小池は、エンプロイーサクセスの成否を左右する見落とされがちな要素として「上司の影響」を挙げます。

小池:
上司との関係構築は、入社後の活躍を左右する重要な要素になってきます。メンバーが「いい上司に恵まれている」と感じられるかどうかが、個々のエンゲージメントに直結するからです。

そして、個々のメンバーの価値観は直属の上司との関係に依存してしまいやすいからこそ、チームごとに価値観がバラバラな組織になってしまうリスクがあります。なので、「良い上司を育てること」を人事の仕事のひとつとして認識することが大切。会社としてマネジメントレイヤーに発信してもらいたい内容の擦り合わせを徹底しましょう。

リクルートメント・マーケティングを加速するメディア戦略

近年では、twitterを活用した採用などが注目を集め、ターゲットへのアプローチの仕方がチャネル/内容共に複雑化・多様化しています。

転職顕在層へのアプローチで充分だった頃は、求人媒体への出稿のみで問題ありませんでした。しかしこれからは、求人媒体のみではなく、ターゲットが普段見ているメディアに露出し、認知度を高めていくことが必要。そこでオンライン/オフラインを掛け合わせた認知獲得戦略についてディスカッションされました。

山田:
例えばマーケター採用であればWantedly Feedを含めるオウンドメディアでの発信はもちろんのこと、「Web担当者Forum」や「MarkeZine」などのマーケターが見るメディアに露出するようなパブリシティ戦略を採用活動の一貫として行えると強いですね。また、エンジニア採用ではTwitterを活用するスタートアップが増えている印象です。転職関連のツイートをしているエンジニアに、DMを送るスピードをどれだけ早められるかが勝負を分けると言われています。
小池:
経験値の高いエンジニアやマーケターといった採用の難しいターゲットに接触したい場合は、オフラインの場でのミートアップの開催がおすすめです。参加者にとってのミートアップの魅力は、自分が関心を持っているニッチな領域について、同じく専門性の高い人たちから知見を得られるところ。マーケター採用のためのミートアップでいえば、「次の会社でCMOになるための転職戦略」ぐらいに内容を尖らせた方が食いつきは良くなると思います。
山田:
ミートアップの集客チャネルは、Wantedlyをはじめとしたその他のイベント集客サービスを併用することをおすすめしています。ちなみにWantedly上では、ワークショップ形式のミートアップが人気です。オンライン・オフライン問わずターゲットに向き合い続け、適切なコンテンツを提供することを意識してみましょう。

執筆協力:大上 諒 @ryoooueシニアル株式会社/CEO

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ウォンテッドリーではリクルートメント・マーケティングに関連するセミナーを数多く用意。ご興味お持ちいただけましたら、是非ご参加ください!

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