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JPモルガン証券 投資銀行本部エグゼクティブ・ディレクターだった私が、TRYFUNDSに入社した理由

広報担当の今田です。今回は、元JPモルガン証券 投資銀行本部エグゼクティブ・ディレクターで、今はTRYFUNDSでM&A案件のソーシング、エグゼキューション業務を担当している和氣のインタビューを掲載いたします。

英語はネイティブレベルで、今は仕事と育児を両立させながら毎日国内・海外問わずクライアントワークに従事する和氣ですが、なぜ順調に投資銀行でのハイキャリアを歩みながらTRYFUNDS入社に至ったのか、その理由に迫ります。

ー自己紹介

初めまして、和氣と申します。私はチェース・マンハッタン、JPモルガンと12年超一貫してM&A領域に従事してきました。今はTRYFUNDSのBIZITユニットで、M&A案件ソーシング、エグゼキューション業務を担当しております。

チェース・マンハッタン銀行、チェース証券時代

私は1998年に米国本社のチェース・マンハッタン銀行の東京支店に入行しました。最初は審査部という企業分析をする部署で、クレジットアナリストとして企業分析や事業分析の基礎を学びました。チェース・マンハッタン銀行で唯一分析の基礎を学べる部署だということもあり、自らその部署を選びました。入社1・2年目で利益に貢献することは難しいと聞いていたので、外資系で普段から学びが多い部署を選びました。

その後、チェース証券に転籍し、法人営業部に異動しました。当時はまだM&Aという言葉も一般的ではなく、M&Aアドバイザリービジネスのみで成り立っている証券会社はなかったのではと思います。当時は日本も景気が良い時代ではありませんでしたので売り案件が多く、また資金調達のためのファンディング側からの話が多くて、LBOの案件が大多数を占めていました。チェースは世界的に見ればLBOのナンバーワンプレイヤーだったためその実績や知見を日本で発揮できるポジションにおり、私自身は数千億円規模のLBO案件に2年目から関わることが出来ました。

―外資系だからこそのメリット

外資系は会社規模が小さいということもあり、個人の裁量が大きいことが魅力でした。入社2年目から大手企業のDDや取締役会でのプレゼン資料作成を任されるなどクライアントの内部とのやり取りも主導させていただき、ジュニアの頃から様々な経験が出来ました。これは、日本国内の大規模な証券会社や銀行では考えにくいことだと思います。

また、若手で活躍できた背景として、クライアントに「外資系だから、女性でも、ジュニアでも、しょうがないよね」と思って貰えたことがあります(笑)。日本の会社でしたら、クライアントから「どうしてうちの会社の担当がそんな若造なんだ」「どうして男性じゃなくて女性なんだ」などと言われることもあるようですが、「外資系はその辺り進んでいるから、しょうがないよね。君だったらいいよ。」と受け止めて貰えました。その点においては、外資系のメリットを最大限活用し、豊富な経験を積むことが出来たと思っています。

―もっと前向きなビジネスを目指し転職

しばらくチェース証券で働き、「もっと前向きなビジネスに携わりたい」という想いから転職を考え始めました。チェースは米国では強固なポジションを築いていましたが、日本ではプレゼンスが弱く、かつ私自身が「LBO主体ではなくM&Aに携わりたい」と思うようになったからです。当時LBO(Leveraged Buyout|レバレッジド・バイアウト)は買収の資金調達のためにレバレッジをかけてかけて・・・という、夢のあるワクワクする話というよりは苦しい話という雰囲気でした。そのため、もっと前向きな合併や統合を手伝えるような所に移りたいと思うようになりました。

当時、M&Aという言葉も徐々に浸透し採用も活発化していたので、転職の好機だと思いました。「転職先はJPモルガンが良いかな」と考えていた矢先、ちょうどチェースがJPモルガンを買収し、私は転職する必要がなくなりました(笑) それが3年目の冬のことでした。

JPモルガンへ

親会社レベルではチェースがJPモルガンを買収したのですが、東京では逆で、JPモルガンはチェースの三倍ほどの規模があったのでJPモルガンがチェース東京を飲み込む形になりました。そのため私含むチェース東京の社員はある意味「買われる側」になりました。JPモルガンの投資銀行への異動の可否は面接等で判断されることとなりました。いろんな偶然もあり私は運よくJPモルガンに異動することができましたが、私の周りでは半数程度の方が退社することになりました。そのようなこともあり「転職したようなものなのでまたゼロから頑張ろう」という心持でJPモルガンでの職務に取り組み始めました。

―新しい職場の雰囲気

JPモルガンはディールが沢山あると聞いていましたが、実際にはディールはあまり多くなく、暗い雰囲気でした。案件が取れない時には「クビになるかもしれない。この会社自体無くなるかもしれない。東京から撤退するかもしれない。」とネガティブに考えてばかりでしたし、案件が無いにも関わらず社員は沢山いたので余計に「皆で稼がないといけない」という焦りがあり、非常に重い雰囲気でした。私も本気でMBA留学を考えていた頃、中外製薬案件のプロジェクトチームに加えて頂きました。

―「原点」となった案件

私の原点となったこの中外製薬の案件は、2001年12月に発表され、実際に案件がクローズしたのが翌年10月でしたが、非常に複雑で業務も過酷なものでした。具体的には中外製薬が持分の過半数をロシュに売却するという案件で、JPモルガンが中外製薬側のアドバイザーとして起用され、私はチームで一番下のメンバーでした。いろいろな制約条件を満たすために当時「日本初」という冠がつくものが4つもつくほど非常に複雑な案件になってしまいました。

価格交渉はシニアメンバーがリードしておりましたが、デュー・ディリジェンス(DD)を進行し、スタンドスティル等経済的価値に関する条項においてはドラフト作業から入る等契約書交渉も主要メンバーとして参加しておりました。

また、案件が複雑になり過ぎてしまい、細かい部分まで把握している人は私以外にいない状況となってしまったため、シニアの監督下ではありましたが、実務上はほぼ私一人でリードしました。自らの頭で考え、日米の会計士・税理士・弁護士・ナスダック・東証など各種の団体の関係者に対して提案し、折衝して、合意に至る所まで、全て私が中心となり進めました。また、発表後のIR・PRに関しても発表資料から社長の台本・Q&Aの作成をリードし、リハーサル、機関投資家とのやり取りも行いました。

アナリストからジュニアアソシエイトに至るまで、私の人生はほぼこの中外製薬の案件に注がれました。

私のこの頃の生活は、会社を出るのが朝6:00で、出社は9:00厳守でした。実際9:30に出社して上司に怒られたこともあります。睡眠時間は「1週間で10時間寝られたらマシ」、という生活をこの案件の期間中(1年以上)続けていました。過酷でしたが、女性でありジュニアであった私が大型案件を実際に自分の手で動かし、部長クラス以上の人と日々プロとしてやり取りできることはとても貴重で、かつ自信にも繋がりました。常に自分の限界に挑戦する毎日で、私の原点はここにあると思っています。最後にはその案件を見事やりきり、「経験したことがないことでも、自分はここまでできるんだ」という手応えや自信に繋がりました。

そして、TRYFUNDSへ

その後もJPモルガンで順調なキャリアを形成し、エグゼクティブ・ディレクターとして国内案件からクロスボーダー案件まで様々なセクターのM&A案件に携わりました。毎日楽しく仕事をしていたのですが、遂に働きすぎて体調を崩してしまったため、退職を決意しました。その後結婚・出産を経験し、また仕事をしたいという思いが沸き上がって来た頃に、TRYFUNDSに出会いました。

―M&Aの「その後」に関わりたいという想い

当然前職と同様の職に就くことも選択肢にあったため、TRYFUNDS以外の会社の話もいくつか聞きました。前職のように大型案件に携わるチャレンジングな仕事も良いかなと思いましたが、一方で、「また前職と同じことをして面白いのか」と考えた際には疑問がありました。

私にはもう「M&Aのアドバイザリーはやり切った」という感覚があり、新しいことに挑戦したいという気持ちがありました。M&Aのアドバイザリーをやっていて一番歯痒いのは、どんなに大きな案件をやっても、取引が完了した瞬間にアドバイザリーの手を離れてしまうことでした。その後自分が携わった会社がうまくいったのか、いかなかったのか、という点に関与できないことには不足感も感じていました。

M&Aと全く関わりのない職に就くことは、自分の知見や経験を活かせないため賢明な判断ではないと考えていましたが、私も残りのキャリアの方が短いこともあり、何か新しいことをやりたいという気持ちがありました。そこで、今後はM&Aの前後(戦略策定からPMIまで)に携わり、自分のフィールドを拡大出来るようなキャリアを提供してくれる会社で挑戦したいと考えていました。そんな折に、TRYFUNDSから声を掛けて頂きました。

―面談時に「何がしたいですか?」と言われた時の衝撃

実際に社長と面談した際に言われた言葉は印象に残っています。

「和氣さんは、TRYFUNDSで何がしたいですか? ぜひTRYFUNDSで和氣さんのご経験・知見をレバレッジして、ご自身のやりたいことに挑戦してください」

この言葉はかなり衝撃でした。JPモルガンのような大きな組織では、自分が「何をするか」はあらかじめ設定されており、「自分がこうしたらもっと会社が良くなる」という発想は持ったことすらなかったからです。今までは会社単位でしか物を考えたことがなく、「自分が与えられた使命はただ会社のために稼ぐこと。これだけ。」という考え方でした。そんな中、「TRYFUNDSの理念に合致していれば何でも挑戦していいよ」と言われたことは衝撃でした。

新しいことに挑戦するというのは私のやりたかったことですし、自分でM&A前後含めた業務をできるのはピッタリだと感じて、TRYFUNDSでお世話になろうと決めました。

―TRYFUNDSの魅力

私がTRYFUNDSで働く決心をした際の一番の決め手は、決まりがない、何でも挑戦できる点でした。

前職ではロボットのように働くことが評価の対象になっていた部分もあり、大きな失敗をした場合は責め立てられ最悪の場合解雇される、といった職場でした。

TRYFUNDSには「チャレンジするのは良いことだ」というカルチャーがあります。これは一見広く他の会社にも当てはまりそうな気がしますが、実際にここまで「挑戦」することが是とされて浸透している企業はほとんどないのではないかと思います。

結果、社員一人一人が自主性を持ち、会社と個人の成長のために日々挑戦し続けている点が魅力だと思います。今の職場には、挑戦する怖さもありますが、なんでも自分で決めて調理できる楽しさがあります。

現在の仕事内容

現在は、BIZITのFA(Financial Advisory)チームにいます。私は「BIZIT M&A」のオンラインではなくオフライン中心にM&A案件を取りに行き、実際にソーシングしてエグゼキューションする仕事をしています。2018年8月に入社して以来、既に走っている案件を手伝ったり、自分で新しく案件を開拓したりしています。

―M&Aに携わってきたキャリアを活かして

現在FA以外で部署横断的な業務にも携わっており、BIZIT M&Aのプラットフォームを高度化することに注力しています。クロスボーダーM&Aに深く携わった人間として、私のプロとしての見方を反映することで、プラットフォームがより世界中の方から使いやすくなるように努めています。また、FAでないユーザにも使いやすくするにはどうしたらいいかについても検討し、TRYFUNDSのM&A関連事業を全世界で開花させるべく取り組んでいます。

―今後成し遂げたいこと

M&Aアドバイザーとして、TRYFUNDSが世間からもっと認識されるようにしたいと思っています。そのためには、M&A案件の成果を積み重ねることですが、その結果、世間でも認識されている、リーグテーブルにランクインできるような会社にしたいです。

―M&A前・後も並走できるTRYFUNDS

M&Aだけに終わるということであれば私も他社を選んでいましたが、TRYFUNDSはM&Aだけではない、M&A前・M&A後も一緒に並走できる会社として認識してもらいたいと思っています。そのために、当然真ん中のM&Aの業務において案件をソーシングしエグゼキューションすることを積み重ね、より実績を作りたいと思っています。

TRYFUNDSへの入社を考える方にメッセージ

―大きな組織にいると欠落しがちな視点

大きな会社・組織で働くことには安心感があります。研修も充実しており、制度も整っていて、どのように自分のキャリアを形成していくかシステマティックに決まっている部分もあり、自分のキャリアが読みやすいというメリットもあります。そういう場にいることのデメリットは、中にいるとあまり見えないかもしれません。ですが出た側の人間から言わせて頂くと、自主的に考えること、能動的に考えることが徐々に欠落してしまうのではないかと思います。

TRYFUNDSにいる人間は、自分がCEOでもCFOでもなくても、「自分がマネジメントのポジションにいたらどうするか、どうあるべきか」という考えを抱えながら日々自分のあり方を考えています。それはベンチャーという組織でマネジメントが自分にとって非常に近い存在だからこそ持ち得る視点なのではと思います。これは私自身にとっても非常に刺激的なことで、「私が今まで欠落していた部分を、ジュニアの方達も皆持っているんだ、負けていられない。」と毎日感じています。

十年後振り返った時に「TRYFUNDSにいる時は自分の能力がカラフルになった時期だった」と言えるように、この年齢になっても新しいことを勉強し、新しい人と出会い、自分の発想を変えて行き、「自分がマネジメントの立場だったらどうするか」という上からの視点を常に持ちたいと私は考えています。

私はたまたま期間が空いて40歳を過ぎてからのTRYFUNDSへのジョインとなりましたが、その時期はもっと早くても良いと思います。こうしたベンチャーでは普段からマネジメントの視点で物事を考える訓練が出来るので、その後起業したい、自分で何かやってみたい、と考える際におそらく大きな支障もなく出来るのではないでしょうか。

―TRYFUNDSで得られるチャレンジ

現在TRYFUNDSでプライベートエクイティ投資の案件をいくつも検討しているのですが、実際買うことになれば誰かそこにマネジメントしに行かなければいけなくなります。そのようにTRYFUNDSに所属しながら別の会社をマネジメントの立場で引っ張って行くポジションに就くチャンスが年齢・経歴関係なく十分に与えられます。(実際にこのような事例が既にTRYFUNDSでは複数出てきており、この前も20代の若手メンバーがCFOとしてある企業に出向しました)

今のキャリアで、刺激やチャレンジが不足していると感じている方は、ぜひTRYFUNDSに来てください。刺激やチャレンジだらけの毎日が待っています。多種多様な業界で経験を積んだ仲間がいますし、私のようなシニアも、若い人もいます。若い人もいるからこそ、若い人の意見も尊重されますし、誰もが様々な挑戦ができます。手を挙げた人が挑戦する権利を獲得するカルチャーなので、手を挙げる自信がある方はぜひ挑戦してください。

以上、和氣のインタビューでした。



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