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前年比430%のメディア成長を実現。メディアの「在り方」と「数字」の両立を追求し続けるトクバイニュース編集チーム

地域の生活者に対し、買い物にまつわる情報を提供する「トクバイ」サービス。

そのトクバイを利用するユーザーへ、日々のくらしに役立つ情報や生活の知恵・アイデアを提供するwebメディア「トクバイニュース」を運営しているのが、トクバイ編集チームです。

トクバイニュースは、2020年4月時点から、わずか1年で4倍以上のMAUを獲得するメディアへと急成長。今回はその成長の裏側にある取り組みやくふうを聞いてみました。

青柳 喬(あおやぎ たかし)

株式会社昭文社で『まっぷる』や『ことりっぷ』など旅行ガイドブックの書籍編集に携わった後、ことりっぷのwebメディアの立ち上げに従事。その後、日本最大級の登山webメディア『YAMA HACK』の編集長としてwebメディアのグロースと事業成長に寄与。生活者の行動様式をかしこくたのしく変えていくようなwebメディアを小規模から成長させていくというミッション性に魅力を感じ、2020年1月にロコガイドにジョイン。

福尾 容子(ふくお ようこ)

大学卒業後、広島で地域情報誌の編集に従事。その後上京しレバレジーズ株式会社に転職、ITエンジニア向け転職支援サービスのオウンドメディア運営に携わる。ユーザーの役に立つことを第一としながら、事業成長に貢献していける環境に惹かれ、2020年7月にロコガイド入社。

「中長期的な成長を見据えて、メディアを育てる覚悟」を持つことから始まる。

まずは、トクバイニュースについて教えてください。

(青柳)トクバイニュースは、「トクバイ」サービスから生まれた地域のくらしにまつわる情報を集めたwebメディアです。

名前から「特売情報を扱っているメディア」のように聞こえますが、どちらかというとむしろ価格にとらわれないモノの価値や、買い物の前と後で役立つ生活に関する情報を発信しています。

トクバイニュースを通じて、買い物が楽しくなるような発見や、日々の生活の中での“しんどい”と感じるようなことを解消してもらうのが目標です。


青柳さんがご入社されたときは、トクバイニュースはどういう状況だったんですか。

(青柳)メディア自体は入社する数年前からありました。ただ、私が入社したタイミングで運用を担当していたのはたったひとり。当時の運用フローを継続させた延長線上にメディアの急成長を見込むのは難しい状況でした。

そんな中、編集チームに課せられたミッションは、シンプルに規模の拡大。その時のMAUを1年間で3倍にするというものでした。

トクバイサービスのユーザーは30〜50代の主婦が中心。トクバイニュースはくらしにまつわる幅広いテーマを扱っており、多くの人にリーチできる可能性を秘めたメディアです。

それなのに規模がまだ小さく、アプリとの連携などにおいてもそのポテンシャルを活かし切れていないのが課題でした。伸び代がたっぷりあるからこそ、ここからメディアを大きくして買い物や家事などに対する考え方や実際の行動を変えたい。そうすることで多くの人にとっての日常がより良くなるんじゃないかという強い思いがありましたね。


再スタートをする上で、何が重要だったのでしょうか。

(青柳)「中長期目線をもつこと、そしてリソースを最大限に生かした再現性のある戦略」でしょうか。

私が入社した後に福尾さんが入社したのですが、たった2人で目標数字を達成しないといけない状況でした。最初に述べたような理想のメディアのイメージはありますが、それを達成する以前にまずはメディアとしてきちんと影響力を持つことが課題だったんですね。

なので、この1年は「やりたいことをするために基盤をしっかり作る年」としてチーム内で認識を揃えました。

数字的なプレッシャーもある中では、どうしても短期で成果が出やすい選択をしがちです。
例えば、ニュースメディアなどの外部プラットフォームに特化すれば一時的にMAUを上げることは可能ですが、それだけではメディアの成長は見込めませんし、認知度も上がりません。

数字としてのインパクトは見ますが、それが短期的なものか、また読んだ人への影響度はどのくらいあるのかも考えます。それらを踏まえ、メディアの継続的な成長を考えるようにしました。

誰のための記事なのか、それだけを考える。

具体的にはどういう風に進めていったのでしょうか。

(青柳)特別なことはしていません。やったのはメディア編集者なら誰でも思いつくような基本的なことです。ただ、やるべきことに愚直に向き合い、無駄なことはしませんでした。

はじめに取り組んだのは、中長期のメディア成長戦略の立案です。少ないメンバーでMAUを大幅に増やし、かつその状態を持続させるためには、盤石な流入基盤が不可欠です。そこで、これまでの外部メディア流入を中心とした運営スタイルから、それだけに頼らない「検索による流入の増加」をテーマに掲げました。

検索流入は盤石な流入基盤を作る上で再現性の高い施策の一つですが、ライバルメディアと比べてもトクバイニュースの検索流入に対する割合はずっと低調。ここに力を入れない理由はありませんでした。


検索流入を増やすためには、何が重要なのでしょうか。

(青柳)「メディアとしてどう在るべきか」を定義することです。サイトをパッと見たときに、私たちは「このメディアはどんな課題に応えてくれそうか、何に特化しているか」がなんとなくわかると思います。それは検索エンジンの視点から見ても同じ。検索エンジンも「このメディアはどんなテーマの情報に詳しい・詳しくない」かを判断しています。

だからこそ、トクバイニュースは何に特化しているサイトか、何が評価されているのか?を読者目線、検索エンジンの目線で解析し、より求められている形にコンテンツ制作方針を明確化していきました。

例えば、トクバイ自体がクックパッドから生まれたサービスということもあり、トクバイニュースでも何年もレシピ記事を作ることに使命感を持って取り組んでいました。
しかし、検索エンジンからは「レシピ」に対する評価ではなく、「ステーキのおいしい焼き方」や「ブロッコリーの茎の使い方」など、食材や料理に関する「豆知識」の方が評価されていました。

そこで、私たちに求められており、評価されているのは「生活(特に料理)における豆知識」と定義しました。初期のトクバイニュースは、名前のとおり「特売」関連の記事や、日々の買い物から連想される「レシピ」関連の記事、またコンビニの新商品ネタなどの「一過性の記事」が多く存在していました。

一方で、トクバイニュースの読者が喜ぶ情報は、かしこくたのしく生活するための「知識やノウハウ」です。具体的には、「絶対に失敗しないステーキの焼き方」は、知らなくとも大きな損はしませんが、何かのタイミングで一度は調べたことがある人が多いはず。そしてそこで得た知識は一度試せばずっと使い続けられるノウハウになります。

トクバイニュースの成長の最初のステップとして、そういった「困ったときに調べると出てくる生活に役立つ豆知識」を網羅しているメディアであると定め、運営することにしました。

検索流入への対応は、既に多くの人が抱えている顕在的な課題に向き合うということです。私たちはどんなシーンで何を頼りにされているのか?役に立つと思われているか?をしっかり解析した上で「メディアの方針・在り方」を定義し、読者のニーズに応える記事を出していくことが重要になります。

もっとも、言葉にすれば当たり前のことなのですが、これまで発信してきた記事に引っ張られたり、関わる人によって微妙に認識がずれたりするものです。だからこそ、「誰に」「何を」届けるメディアなのかという定義を決めることを最重要視しました。

「何をやめるのか」という新たなチャレンジ。

戦略を実行していく上での課題はありましたか。

(福尾)まず、圧倒的にリソースが足りないということですね。結局のところ、いくら方針を決めてもメディアとしての発信量そのものが少ないと大幅な成長は見込めません。編集部は青柳さんと私の2人だけなので、クオリティを担保しながら1ヵ月に制作できる記事本数は1人あたり20~25本程度、最大50本が限界です。

そのため、「何をやるかより何をやらないか」を決めることが重要でした。


具体的にはどんなことをやらないと決めたのでしょうか。

最初にやらないと決めたのは「出したい記事を出すこと」です。青柳さんのメディア方針についての話にもありましたが、本音はPV数などは度外視して面白いことを提案する記事も出したい。

ただ、マスを意識したメディア成長の初期フェーズでは、多くの読者が求めているものを出していくことが大切です。「私たちが出したい記事を出すのではなく、多くの読者が知りたいと思っている記事を出す」ということを貫きました。


メディアづくりの初期フェーズでは、背に腹はかえられないということですね。
他にもやめたことはありますか?

(福尾)「全て内製でやる」ことですね。出す記事のテーマは絞った上で、記事自体の量も必要です。でも本数を増やしてもクオリティは下げたくない。検討の末、外部ライターや外部パートナーとなってくれるフリーランス編集者を増やしました。

クオリティ低下に対する懸念に対しては、面談などを通してメディアの在り方に理解・共感してくれる編集者とパートナーシップを組み、ライターの管理ツールを導入して効率化するなど、運用の工夫でカバーしています。

そのほかにも、複数人での原稿チェックをやめて、編集担当者が責任を持って対応する方針に切り替えたり、一定期間試してみて効果が薄かった施策はかかった工数にかかわらず中止したりしました。

原稿チェック体制は賛否の分かれるところではあるんですが、現段階ではゼロリスクを目指すよりも、致命的なミスを防ぐためのルールを設けた上で制作スピードを上げることを選択しています。

これらを実行することにより、これまでは月50本だった記事公開数が、今は月160本まで増加させることができました。記事を多く出せるようになったらそれらのフローを最適化し、空いたリソースで新たなチャレンジをする。シンプルにこの繰り返しです。

「仮説・検証」「体系化・横展開」を愚直に繰り返す。

月50本から月160本とはすごいですね。
その上で、少ない編集メンバーで他に工夫したことはありますか。

(青柳)マスを対象にしたメディアの流入効果を高めるには、データドリブンによる仮説と検証の繰り返ししかないと考えています。トクバイニュースが得意・不得意とするテーマがなにかを明らかにするために、仮説を持って記事制作をし、常に数値を出し続け、良い結果が出たものについては推察・検証を行い、メンバー間で他テーマへの横展開を繰り返していきました。

細かな話ですが、例えば検索順位に関して、「カボチャ×カロリー」のキーワードで良い結果になれば、野菜のカロリーをテーマとして「オクラ×カロリー」「ジャガイモ×カロリー」「にんじん×カロリー」の記事を網羅的に制作します。読者にもやしの保存方法が人気ならば季節を考えてゴーヤやキュウリの保存方法についても特集します。それで数字が伸びなければ、足が早い野菜の保存方法の方が効果があるのではと仮説を立て、次の編成を考えます。

毎回記事の数値を見ながら、なぜその記事が読者に受け入れられたのか、何がどう役に立ったのかを考えて、良いものは徹底的に横展開していく。同様に、効果の悪い時もその理由を考えて、より良い結果が出るテーマに取り組む。

これも当たり前のことではありますが、定例会などの場ではなく、人数が少ないことを生かして常時Slackや面談などで常にチームで共有し、改善を続けました。

そういった日々の積み重ねにより、1記事あたりの月間平均閲覧数が100人前後だった以前に比べて、今では平均1,600人まで増えており、毎月数万人に読まれる記事がいくつも作れるようになってきました。

ただの「メディア」で終わるなら、ロコガイドにメディアは必要ない。

今後、編集チームとして何を実現していきたいですか。

(福尾)最終的には、ロコガイドの事業に貢献出来るメディアにしていきたいですね。

大前提として、トクバイニュースというメディアはトクバイ本体の価値を上げるためにあるものだと思っています。正直、私個人としては記事のPV数が伸びること自体に喜びや達成感はあまり感じないんですよね(笑)

というのも、事業が成長して、結果としてその先の読者に喜んでもらえることこそが大事だと考えているからです。私がロコガイドに入社した経緯も、それを実現したいと思ったことが一番大きかったんです。

トクバイ事業では、今後は読者の「欲求喚起」が必要なフェーズになると考えて施策を進めています。これまでは読者に「安い」という情報の提供をメインとして、チラシや特売情報を載せていましたが、今や共働き世帯が増えてきているため、昔のようにチラシを読み込んで少しでも安い食材を探す、といった行動を取らない人も多くなってきています。

むしろ、求められているのは安さだけではなく、自分の欲しい商品が確実に買えるお店はどこなのかといった情報や、今まで知らなかった魅力的な商品との出会いなど、「かしこく、たのしい買い物体験」にシフトしています。

そういった体験を読者にしてもらえるよう、読者の潜在的な欲求を見極めながら、日常的かつ密度の濃い情報をメディアとしても発信していきたいですね。

毎日見てしまうお昼の情報番組のような、読者の日常の中に溶け込んでいけるメディアにしていく必要があると考えています。結果として、記事を読んだ読者の行動が少しずつ変わっていくことを目指して、日々の仕事に取り組んでいきたいですね。


素敵なビジョンですね。

(青柳)その上で私たちにとって一番重要なことは、「このビジョンを達成するための“在り方”と会社として達成が必要な“数字”の両方を、常に追求し続けなければいけない」ということです。

今日話したようなビジョンを達成するために、最初からそれを体現する記事を作ってもおそらく成果には結びつきにくいでしょう。まずは読んでもらえるだけの十分な読者(規模)が必要になりますし、そもそもそういった記事を作り続けるための資金(売り上げ)も必要になります。

一方で、事業として追わねばならない売り上げや規模だけを追いかけても、それが読者のためになっているか、メディアとしてブランディングできているかはイコールではありませんし、お金や規模のためだけの節操のないメディアに成り下がってしまいます。往々にしてビジョンを体現するコンテンツと数値を達成するコンテンツは、簡単には両立できないものです。

私は、読者への最大の裏切りはそのメディアが見れなくなることだと思います。
良いなと思える素敵な記事があるメディアが事業として成立できずに閉鎖するところをいくつも見てきました。
だからこそ、ビジョンはブレずに、売上げや規模などの数値目標もきっちり達成する。これらの両輪をバランス良く回していくことが必要だと考えています。

読者のことを、考えて、考え尽くす。

編集者としてお二人が大切にしている価値観を聞かせてください。

(青柳)記事を作るときに大切にしているのは、「読者の現在地を理解すること」ですね。読者が求めている情報や、どこまでの前提知識があるのか、今何を期待しているのか、その情報は誰から聞ければベストなのか...など。常に読者がどこにいるのかを理解し、細部まで設計する。そこまで考え尽くさないと、日常での読者の「行動変容」を促すことなんてできないと考えているからです。そこは絶えずこだわり続けたいですね。

(福尾)私は「読者のことを徹底的に考える」です。これだけ情報が溢れている中で自分の作った記事にたどり着いてくれたなら、なんらかの役に立つ情報、読んでよかったと思える内容を届けたいと思っています。

基本的なことですが、「誰が読んでもわかりやすい表現で伝える」、「過不足のない情報で構成する」といったことは徹底します。一言一句意味のある文章を作っているつもりなので本当は熟読してほしいですけど(笑)、Web記事だとそうもいかないので「ななめ読みしても内容が理解できるくらいのわかりやすさ」を目指しています。
読者のことを徹底的に考えて記事を作り、その中で自分にしか出せない色を足せるようになりたいですね。


最後に、どんな人と働きたいですか。

(青柳)メディアの在り方を考えつつ、数字も出していく。そこが一番難しいししんどいところですが、そこにこそwebメディア編集者としてのやりがいがあると思っています。「事業を成長させるメディアを、時間をかけて育てていく」ことに、全力で向き合えるような仲間と一緒に働いていきたいと思っています。

もし、当社の編集チームに少しでも興味をお持ち頂ければ、ぜひメディアの未来や役割についてじっくりと語り合いましょう!!


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