CDO 西口 雅幸が語るVRにおける「UI/UX」へのこだわり

CDO(取締役 開発責任者)の西口に、Synamon誕生前のキャリアから、今までのVR開発経緯など含めて、社内で詳しく語っていただきました。それでは、早速インタビューの内容をお届けします!

CGモデラーから「Unityエンジニア」への転身

私は中学生の頃から趣味でCG(コンピュータ・グラフィックス)を作り続けていました。当時はロボットばかり作っていました。それから、CGの専門学校を卒業した後、東映アニメーションにジョインし、そこでCGモデラー(工業製品やキャラクターなど物体の形状を創る人)として活躍する先輩の作ったモデルに感動し、その道1本で生きると決意しました。デビュー作は聖闘士星矢、その後も「金色のガッシュベル」や「ワンピース」などの作品にも参加させていただきました。

東映アニメーションを出た後もフリーランスのモデラーとして活動していましたが、CGはハリウッドなど海外が本場なので海外へ行こうと決断。しかし、いろいろあって結局海外行きがキャンセル、借りていた家は解約したし、フリーランスでやっていたモデリングの仕事も止めていたので、知り合いの会社の地下を間借りして寝袋で寝泊まりしながら、仕事を手伝うような生活をしばらくしていました。

その流れでWeb系の仕事をやっている会社のFlashでの映像制作などを手伝うようになり、その会社の親会社が米国だったこともあり、最先端技術の情報は入ってきやすく、そこでゲーム製作エンジン「Unity」の存在を知りました。

UnityのUI(ユーザインタフェース)が、3DCGのソフトに近く、Flashよりもとっつきやすくて仕事の合間にちょこちょこ触っていました。それだとなかなか覚えられないので、それまでやっていたCGモデラーや映像の仕事を全て止めてUnityを仕事にしてしまおうと考えました。ちょうど知り合いがUnityエンジニアを探していたんで、「自分ならその仕事できますよ。」と仕事を引き受けました。結果として、そのゲームは今も売れ続けてくれてるようなので良かったですが、めちゃくちゃ大変でした。

●VRの世界に触れて「課題」が見えた

ゲームの仕事を続けているうち「Oculus DK1」に出会い、VR(Virtual Reality)に惹かれ、いつの間にかVR系のイベントに参加するようになってました。そこで、共同創業者の「武樋」と出会い、VRで会社を起こそうと意気投合。VR元年と呼ばれる2016年に「株式会社Synamon」を秋葉原のマンションの一室を借りて、創業しました。

最初に手掛けたVRは、「オンライン対戦型シューティングゲーム『DOPAMINE』」です。

ゲーム自体は好評だったのですが、そもそもHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を持っている人が少なく、オンライン対戦が売りなのに、それを成立させるためのユーザ数が圧倒的に少ないという課題が浮き彫りになりました。

このままゲームの完成度を上げるべく開発を続けるという選択肢もありましたが、ゲーム制作は1作目がヒットしたとしても2作目3作目と継続してヒット作を出していくのは難しいと思うので、コンテンツをメインでやっていく方針は最初狙わず、まずはVRの普及させ市場を作っていくためにBtoB向けに注力することにしました。

具体的に何を作ってどの領域を狙っていくか決まっていない段階で、まずはどんなものでも作れるように、オンラインで複数人が同じ空間に入ってボイスチャットや物の受け渡し等のコミュニケーションがとれるVRのベースシステム『NEUTRANS』を開発しました。ベースシステムを作ることで色々な要件に素早く対応できるようになったので、これをVR空間構築ソリューション『NEUTRANS』として提供していくことになりました。

●誰のためのVRか? UI/UXに拘り続ける理由

株式会社パソナ様と共同開発した「VRおもてなし研修」は、全くVRに触れたことない人が使うものでした。

エンターテインメント向けのVRで当たり前に使われていたユーザインタフェース「ボタンクリック」、「レーザーポインター操作」を、思い切ってなくしました。その結果、普段VRを使っていない「おもてなし研修の先生」や「生徒」の方からも問題なく使えたと言っていただけました。VRはエンターテインメント向けが多いので、ビジネス用のUI/UXは参考になるものがあまりありませんでした。そこで、世の中にある様々なUIを参考にして、どうすれば使いやすくなるか考え抜いて作ったUIを、使いやすいと言っていただけた時は本当に嬉しかったです。

本当はバーチャルだからこそ、サイバーっぽいUIにすることもできるし、そういう期待を持っている人も少なくないです。でも、普段VRに触れない方だと、全く見たことないUIに戸惑ってしまうかもしれないし、操作に迷ってしまいVRは難しいという印象を与えてしまうことにも繋がると思ったのであえて避けました。

私が制作で心がけていることは、まずリアルにすることです。世界に実在感を持たせ、説得力を上げることが没入感につながると思っているのでいきなり異世界の空間にしたり、空を飛べるようにするのではなく、VR空間だとしても、物理法則や重力があって、現実世界と変わらないようにする。その上で空中に絵が描けたり巨大なモニターを空中に複数枚配置したり、遠くのものを引きよせたりといった、現実では不可能な便利な要素を足していくということにこだわって設計しています。

●今後の展開と未来の仲間に向けて

2012年に放映されたソード・アート・オンラインというアニメでは、「ザ・シード」と呼ばれてる、VRのゲームを誰もが作れるベースシステムのようなものがあります。世界中にこのベースシステムを主人公がばらまき、世界中でVRのゲームがたくさん生まれ、相互にリンクでき、自由にVRのゲーム上も移動できる。ベースシステムとしては理想的な考え方だと思います。

『NEUTRANS』もベースシステムとしての完成度を高めSDKという形で提供していければいいなと思っていますが今はまだ市場が未成熟の時期でもあるので、当面はBtoBのVR開発を進めながらより使いやすいUI/UX、新たな機能、安定性の向上などしていきたいと思っています。


Unityエンジニアの方の中でも、そういう考え方や思想を持っている方なら、Synamonと合うと思います、VRが好きでのめり込んで開発そのものを楽しめる方は是非一緒に開発しましょう!

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