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ノインが化粧品業界にデータマーケティングを持ち込もうとしている理由【COO 千葉久義】

はじめに

「コスメをデータで理解する」という点についてあまり触れてこなかったのでここらでちょっとガチ目の内容を書いてみようかと思います。ところで私も2019年3月にノインに入ってからこれまでの期間でけっこう勉強して、多少はコスメについて詳しくなった気がします。スキンケアとメイクアップの違いが全くわからなかった状態からのスタートなのでなかなか頑張りました。

コスメについて効率的に学ぶには

特に韓国コスメであればそのへんの女子より私のほうが詳しい自信がありますし、ある程度のブランドは色番を言われれば色を特定することが可能です。ブランドが扱っている商品ラインナップの歴史的背景や売り方の理由なんかもそこそこ理解しました。このあたりが語れるようになると、「すごい」とよく言われますが、実際、体系的に勉強する教材がないだけで、効率よく体系的に学べれば3ヶ月位で会話できる程度にはなるのではないかと思います。私は基礎知識がゼロ(むしろマイナスくらい)だったので、何でも周りに恥ずかしくなく聞けましたし、聞いたことをロジカルに研究テーマのように整理して体系立てて学びました。感性ではなくデータを見ながら覚える女性はほぼいないので彼女たちよりも(たぶん)網羅的な知識になっていると思います。

ノインのビジネスモデル

さて、まずノインのビジネスモデルについて触れたいと思います。我々がどうやって稼ごうとしているか?という点です。我々のプロダクトはECです。なのでモノを売って稼ぐ(仕入れ価格と販売価格の差分)が利益なのは言うまでもありません(toCのキャッシュポイント)。そしてもう一つデータによるソリューション提供があります(toBのキャッシュポイント)。我々は「ユーザーの行動データをDMPに溜め込み、メーカーのマーケティングに使える形で提供する」というビジネスも行っています。当然のことながら個人情報をマスキングした形での提供です。「『購買データ』を提供できる」というのがメディアとの一番の違いです。閲覧のデータに留まらない、より価値の高いデータを提供できるというのが我々のデータマーケティング最大の特徴です。広告ビジネスをしたことがある方なら分かると思いますが、CTRからのCVRを考えると購買データは閲覧データと比較して100倍以上価値があるものだと言えます。


また、あるユーザー群におけるデータ提供をするためにはユーザーの同定を行う必要がありますが、メディアには基本的にログインの必要がないため同定が難しいです(例えば、ある人がどこに住んでいて何歳で等々の情報を特定するということ)。我々はECなので、ユーザーにからすると商品を家まで届けてもらう必要があるため購入するためにはログインは必須の要件となるためデータの正確性と深さが違います。

化粧品業界はまだまだデータマーケティングが普及していない

マーケティング(モノ / サービスがより売れるようになるための活動と定義します)を生業としている方なら分かると思いますが、データを見ずに感性で突っ込むのはあまりに無謀であり危険です。できる限りのデータを集めて仮説を立て、検証しながら再現性を探るというのが正しいやり方であるはずです。

化粧品業界は2018年ですらEC化率は5.8%程度と他業界よりも著しく低いです(平成 30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査))
。これが何を意味するのかというと、リアルの店舗でのデータしかないので他業界に比べてデータが少ない = 他業界と比してデータマーケティングが成熟しにくいという構造が出来上がります。私の肌感では、化粧品業界のデータマーケティングは他業界と比べて10年遅れています。


ここ20年で何が起こったのかについてはご存知の通り、インターネットが普及し、買い物もリアルでの購買がどんどんとECに置き換わっていきました。いまや「インターネット」という感覚もなくECで買い物がなされ、ECで買ったか、リアルで買ったか自体を意識しないものも多いのではないでしょう。

一方で化粧品業界はどうでしょう。資生堂がワタシプラスを提供し始めたのは驚くべきことに(?)2012年です。2012年なんか普通にECでバリバリ買い物していませんでしたか?資生堂が自社でECを開始したからといってコトが一気に進み始めるわけではありません。花王がECを始めたのはなんと2018年。リアルを主戦場としてきた業界にとって、業界構造がかなり硬直化してしまっていることもEC化への足かせとなりました。リアルの店舗や卸がEC化に「待った」をかけるのです。その間にファッションのEC化は進みました(それでもまだ12.96%ですが)。下記はファッションと化粧品のEC化率の推移です。


イス取りゲーム(棚の取り合い)が激しい化粧品

日本で流通している化粧品の種類は国内の正規流通で約20万SKU(Stock Keeping Unitの略、あるリップが3色展開であれば3SKUという数え方。海外からの並行輸入品等も含めるとおそらく40−50万SKUという膨大な数になるはず)。一方でリアル店舗に並ぶ商品数はスペースという壁があるため、PLAZAやロフトといったバラエティ系の規模の大きな店舗においても5,000SKU程度。小さい店舗では1,000-2,000SKUまで減るでしょう。つまり起きていることは棚の取り合い、イス取りゲームです。

この状態で「わしらは自分でECやるっす」などと言い出すとどうなるでしょう?

「ああ、じゃあ君たちうちのお店の棚はいらないのね

となり、そのメーカーの商品は今後店舗に並ばなくなります。となると売上は絶対に減りますし、零細メーカーには消えゆく運命しか見えません。ECを早く始めなかったがために、ECに移行すると死ぬしかないといういびつな未来が出来上がってしまったのです。(ここはもし違う見解があれば教えてほしいです)


化粧品ECに一石を投じた資生堂

ここに殴り込みをかけたのが資生堂です。実際、資生堂がワタシプラスの展開を発表したとき、百貨店が激怒したという話は百貨店側の方々からよく聞きます。そして、他のメーカーがその時に何をしたのかというと「静観」です。資生堂が棚から外されまくってホントに死んでいったりしたら自分たちは資生堂ほどの体力はないし、追随して死んでいくのが怖いので当たり前です。

その結果どうなったでしょうか?資生堂は棚から外れることはなく、新たな販路であるECの売上比率を全体の8%まで伸長させ、2020年までに15%まで引き上げると2017年に中期経営計画(VISION 2020)で発表するに至りました。


これをうけて、やっとEC化に向けて様々なメーカーが動き出したというのが今の日本の化粧品業界です。

ノイン社のスタンス

我々は化粧品ECのプラットフォームであるため、化粧品メーカーはパートナーです。化粧品メーカーの売上が上がることは我々の利益に直結することもあり、マーケティング(売上を伸ばすための活動)をデータの側面でサポートしたいというのがノインのスタンスです。日本の化粧品は世界で戦える、今や珍しい商材の一つです。特にアジアにおいて化粧品は、Made in Japanであることが非常に大きなアドバンテージとなります。データマーケティングを武器に世界で戦える日本のメーカーを増やしたいということも我々の夢です。

ノインは「プラットフォーマーだけがデータを独占する」というスタンスを取らない方針です。貴重なデータではあるものの、パートーナーと共有しながら業界発展を進めたいというキレイゴトですが、そんなことを本気で考えています。

そんなこんなで採用も強化中なのでご興味を持っていただけた方はお声がけください!

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ノインが化粧品業界にデータマーケティングを持ち込もうとしている理由【COO 千葉久義】
本間茜
ノイン株式会社 / Writer
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