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【Makuake Session#1 - JT】見えにくい価値を翻訳し、世の中に証明していく

モノを通して対話する文化をもっと進化させたい  ――桐迫瑛人(JT 研究員)


「お互い、出会えてよかった」と思えることは最上の喜び  ――北原成憲(Makuake クリエイティブディレクター)


Makuakeのプロジェクトの中でも記録的な達成金額を成し遂げた「kitoki」は、呼吸を通してリフレッシュを促すためのデバイス。支援額は1000万円の大台を突破した。ヒノキの香りが漂うkitokiを使った深呼吸を何度かして、手のひらの発汗が落ち着いた頃にデバイスから振動を与えることで、リラックス後に気持ちを覚醒させることができるという商品だ。

プロジェクトの中心メンバーだったJTの桐迫瑛人氏とMakuake Incubation Studio(以下、MIS)の北原成憲は、このプロジェクトでさまざまなフェーズを乗り切ってきた。2018年夏に大成功で終了したクラウドファンディングを、2人の対談で振り返る。


モノを通して対話する文化をもっと進化させたい

北原:プロジェクトのスタートは、今から2年ほど前に、桐迫さんから直接問い合わせがあったんですよね。「JTのような大企業から!」と驚きましたよ。

桐迫:僕たちは、JTをたばこの会社というより、嗜好品を扱う会社であると解釈しているんです。その中で実験的につくっていたのがkitokiの前身となるプロトタイプ。北原さんに相談をするさらに1年半ほど前から取り組んでいて、社内展示会などには出していたのですが、社内だけにとどまってしまっているという葛藤があった。そこで、一度弊社の経営企画部に来ていただいたこともある北原さんにお問い合わせをしたんです。

北原:まだ、今とはずいぶん違う商品でしたよね。

桐迫:むき出しの基盤に市販のBluetoothを付けて、深呼吸をするとスマホに接続されて音楽が鳴るようなしくみ。深呼吸を促すプロトタイプで、エンタメ的に呼吸を愉しむ嗜好品という意図はあったのですが、まだコンセプトが固まり切っていなかったんですよね。

北原:僕らはMISとして、新規事業や新商品を生み出すお手伝いをする立場。桐迫さんたちが、JTの中で「モノを通して対話する文化をもっと進化させたい」という思いを持っていることに感銘を受けたんです。

ただ、僕らとしてはクラウドファンディングに支援してくれる方も大事なお客様。その方たちが本当に価値を感じる商品を提供しなくてはならないんです。「呼吸」というものに1万円を払いたくなるような商品を一緒に作りましょう、と提案しました。僕らはそんなベネフィットを見つけるプロセスを「価値設計」と呼んでいます。


前例が無いことへの挑戦には恐怖心があった

北原:ご一緒させていただくまで、社内調整はどんな風に進んだんですか︖

桐迫:僕は北原さんの話に感動して、すごく信頼のおける方だと思ったし、すぐにでもご一緒したいという気持ちでした。ただ、過去に品質保証系の分析業務を担当していたのもあり、商品は世に出すだけじゃなくて、お問い合わせ対応などの守りの仕事もあると知っていた。「世の中に出したい」と思っていながら、いざとなると頭には後のことがよぎりすごく恐怖心があったわけです。だから社内調整よりも「自分の腹をくくる」ってことが大変でしたね。

さらに、同じチームの谷本侑成はプロジェクトマネージャーとして、感情だけに動かされてはいけないという思いが強かった。例えば、社名を背負ってクラウドファンディングに大失敗したら、どんなことが起こるかわからない。私と谷本は各々違う観点から様々なリスクをすごく考えてしまったんです。でも最後は、これまでプロジェクトをサポートしてくださった柴山武久 R&D前責任者に背中を押されたこともあり、僕らのコンセプトとプロトタイプを信じて、北原さんにお願いしよう、と心を決めた。当時、北原さんにしたためた熱いメールは、今でも時々読み返します。

北原:新たな価値創造に挑戦するという緊張感は、うらやましいくらいです。いろいろと机上で事業の勉強をしても、実際に事業を起こす経験には敵わない。プロジェクトの最中に桐迫さんの顔つきが変わっていく様子がすごくわかって、「ものすごく成長されているんだ」って思っていました。


MISでできる3つのサポート

桐迫:僕らはそれまで「作れば売れる」という世界にいたんだと思います。でも北原さんに教わったのは「売れるものを作る」ということ。因果を逆にするのは、大きなマインドチェンジでした。

北原:MISとしてサポートできることは3つあって、まずはBefore Makuakeのフェーズ。プロトタイプ品がどういう価値としてユーザーに映るのか。売れる価値を見出して、それをわかりやすく翻訳するということです。いま桐迫さんがおっしゃっていたのはこの部分ですね。

次にクラウドファンディング。新しい製品をMakuakeでのテストマーケティングに繋げ、世の中の支持を集めるお手伝いになります。

最後はAfter Makuakeとして、Makuakeの実績を元に、その新製品を新規事業化につなげていくことです。

桐迫:今回のクラウドファンディングの実行者は、JTとしてではなく、別会社にご協力していただくことにしました。それにより、新しいマーケットでkitokiがどのような体験として受け入れられるのか、僕らとしても研究対象にさせてもらうという形をとっています。


前例のないことをやり切った

北原:JTさんのように大きな会社で、前例のないことを立ち上げ、さらに「やり切る」ということが本当にすごい。新規事業に挑戦する人はたくさんいますが、挑戦するだけでかなり優秀な方だと思うんです。だって、本業から見たらやらなくてもいいことなんだから。それに加えて、やり切ることは本当に難しい。プロジェクトを進める中でさまざまな「ハードル」があったと思いますが、それらを乗り越えて、さまざまな人を巻き込んで世にアウトプットされるところまでやり切った桐迫さんは本当に素晴らしいと思います。

桐迫:大変なことも多かったですが、それだけに嬉しいことも沢山ありました。まずは妻の反応が嬉しかったですね。Makuakeのページがオープンしてすぐ、「買ってね」とも言っていなかったのですが「1個買ったよ」と妻から連絡がありました。それまで、僕の仕事は家族からもわかりにくさがありましたが、「いいプロダクトだね」と言ってもらえました。

また、社内でも沢山の人が応援してくれたり、「買ったよ」と言ってくれたりした。横のつながりができて、プロトタイプ文化がより一層進化していることを実感出来ていることが本当に嬉しいです。

そして何と言っても、北原さんとご一緒させていただいたことは大きな財産。受託関係を超えて、一蓮托生のような関係性を築けるプロジェクトにしたいなと思っていて、そのように進められたのがよかった。

北原:このプロジェクトを進めていく中ではたくさん嬉しい瞬間がありました。これまで、kitokiの支援額が1000万円を達成した瞬間が一番嬉しかったんですが、この対談でそう言っていただけた今が一番嬉しいかもしれない(笑)。同じチームのメンバーとして、僕も桐迫さんに出会えて本当によかったと思っています。


これからもタッグを組んで新しいチャレンジを

北原:桐迫さんは、自らが新たな価値創造に挑戦して成功させたわけですが、今は裏方にも回っているんですよね。それがすごくカッコいい。多くの人は、事業の当事者を経験しないまま、事業を語っていたりする。だけど、桐迫さんは新しい文化を自ら生み出して、今度は支えていこうというところがすごいですよ。

桐迫:kitokiの知見を活かして、嗜好品メーカーとしてJTが目指す「心の豊かさ」をよりディープに見ていきたいと思っています。それにはまだまだ遠くて。まだ見ぬ企画も、北原さんにお手伝いいただきながら、Makuakeを出口として見据えて、さらにその次の一般販売までの大きなハードルを越えて行けたらと思います。

北原:日本は研究開発大国で、まだまだメーカーに素晴らしい技術や熱量が埋まっているんです。それなのに、メイドインジャパンが脚光を浴びていないのが悔しい。でもMISなら、そういうメーカーのお手伝いができます。価値を創造して、Makuakeを通して証明し、事業を拡大してもらう。

MISもまだまだメンバーが少ないけれど、今ジョインしてくれる人がいたら将来のリーダー候補になれる。リーダー候補として、Makuakeを動かしていく人材と一緒に仕事ができたらと思っています。



3分間のリフレッシュ新体験。木工バイタルセンシング型呼吸デバイス「kitoki」: Website
Makuake Incubation Studio:Website

取材・執筆:栃尾江美 Website
撮影:佐藤啓 Instagram


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