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京都の二条城で無人カメラを使ったサービスで寄付の実証実験をしてきた話

初めまして。エンジニアの松原です。この記事ではJDDの「無人観光写真プロジェクト」を紹介します。


二条城に無人カメラを設置した経緯

JDDではお金にかかわる新しいサービスを生み出そうとしている中、貴重な文化財の維持などに対する寄付をもっとデジタルの力で活性化できないかと仮説を立てて考えていました。

投げ銭など様々な手法が考えられる中、観光地として記念写真をグループで撮れるサービスを提供し、対価として寄付をあつめるプランを立てていたところ、二条城を管理する京都市様から実験の許諾をいただくことができ、今回の実験を実施する事となりました。

みんなが揃った写真を撮りたい

観光地を旅行する家族が記念写真を撮影する光景はいつ見ても微笑ましいものですが、ふと気になる事があります。誰かが写真を撮る係に回るため、せっかくの家族写真に誰かが欠けているのです。大抵はお父さんが犠牲になります。

第三者を見つけて写真をお願いする事も可能ですが、やはり見ず知らずの人に声をかけるのは小恥ずかしいもの。一部の観光地では写真撮影スタッフが待機していますが、当然人件費がかかってしまいます。

そこで「観光地の写真撮影サービスを無人化する」取り組みに挑戦しました。

サービスの概要

社内でサービスの形を議論した結果、以下の仕様に落ち着きました:

・ユーザーのスマホから無人カメラのシャッターを切る

・カメラが撮影した写真を、ユーザーが自分のスマホにダウンロードできる

・ログイン/会員登録はしない

・自分以外の写真は閲覧できてはいけない


最終的にたどり着いた設計はこんな感じです:


まずシャッターを無人で切れるようにするため、Camera Remote APIを提供しているソニーのカメラを使用しました。PCをカメラの横に放置するのは避けたいので、APIの呼び出し役にはRaspberry Pi 3 Model Bを採用。

シャッターを切るタイミングの調整にはFirestoreのonSnapshotリスナを使用します。ラズパイのプロセスからFirestoreの特定ドキュメントを監視し、ドキュメントをユーザ側の端末が更新したらシャッターを切るようにすれば、ユーザーが自端末からカメラを操作出来ます。撮影した画像はラズパイからFirebase storageに送信し、保存先の参照情報をfirestoreのドキュメントに保管します。今回のサービスには会員登録機能が無いので、ドキュメントの識別IDはユーザのローカルストレージに保管しておきます。

フロントエンドはnuxt.js、ラズパイのプロセスはnode.jsで作成。「桜が散るまでに完成させる」という詩的な納期に追われていたため、各々が最も慣れ親しんだ技術を選定しました。総工数は10日ほど。



概要だけだと分かりづらいと思うので手順を説明すると:

これがタブレットに表示されたトップページ。タップすると・・・



こんな画面に。

①ここで利用規約に同意するとFirestoreドキュメントID付きのQRコードが表示されます。ユーザのスマホでQRコードを読み取り、IDをローカルストレージに保管。ユーザが以下の画面から撮影ボタンをタップすると、firestore上のドキュメントを更新(=シャッターを切る事が)できます。


②シャッターボタンを押すとfirestoreドキュメントを更新

③ラズパイのプロセスがドキュメント更新を検知

④カメラAPIの撮影エンドポイントを叩く

⑤画像が返却される

⑥サムネイルを生成し、画像本体と共にfirebase storageに保管

⑦ユーザ端末側でもドキュメント更新をウォッチ。サムネイルだけ表示する



最終的には以下のような一覧ページから、自分の端末に写真をダウンロード出来ます。

実際に撮影した写真がコチラ。どやっ



いざ二条城へ

プロトタイプを提げて意気揚々と二条城へ向かいます。「こういう時ってだいたい当日に動かなくなるんですよね〜」なんて軽口を叩いていたら本当に動かなくなりました。非常に焦りましたが、なんとか解決。二条城の唐門前に無人カメラを設営していきます。


朝7時、誰もいない二条城を堪能できる愉悦は筆舌に尽くし難いものがあります。完成したブースはこんな感じです:


いざ、実証実験開始!


問題だらけの初日

突貫作業で準備したPoCだったため、やはり問題が多発しました。例えば・・・


サービスが理解されない

まずサービスの概要が理解されません。「撮影スポット」という文言を誤解した観光客が「ここから良い写真が撮れるんだ?」とズカズカ入って来てしまったり、自分のカメラを私達に手渡して「撮ってくれ」と頼まれたり。

ある程度の目的意識や事前情報を持ってたどり着くWEBサイトと違い、現実世界に突如現れたサービスを一目で理解してもらうのは難易度が高いようです。クリエイティブには1日もかけられませんでしたが、もう少しこちらに時間配分を寄せる必要がありましたね。


日光

花粉マスクの日焼け跡がガッツリ残るほどの強烈な日光が差し込むなか、タブレットやスマホの画面が見えづらく「撮影ボタン?どれ?見えないよ」と迷子になるユーザが多発してしまいました。野外には野外用のUIを用意しなければいけないと反省。


自分で撮れるじゃん

この無人撮影サービスは将来的に「関係者でなければ撮れないアングルからの撮影」を付加価値とする予定ですが、今回は実証実験で利用できる場所の限界のため、誰でも撮影できるポジションで開始せざるを得ませんでした。そのため一部の観光客からは「自分でも撮れる写真じゃないか」と突っ込まれてしまい、歯がゆさが残りました。


(内なる声)


カイゼンだらけの2日目

こうした初日の結果を踏まえ、2日目には大幅な改善を実施しました。


撮影スポット変更

まず撮影スポットを変更。「自分では撮れない場所からの撮影」による効果を検証するため、二条城の天守閣跡を下から見上げるスポットにカメラを設置し、天守閣跡から遠隔撮影出来るようにしました。


2日目の写真はコチラ


もはや無人カメラは遥か彼方。よほど手が長くない限りこの距離から自分を撮る事は出来ません。


ちなみにルーターの電波が限界に近かったため、半ばネタですが即席のパラボラアンテナも作りました。ボウルが手に入らず円形には程遠い形状のため半信半疑でしたが、タブレットの電波が1本から2本に増えました。


看板を修正

サービスの概要が伝わりにくかった事を踏まえ、急遽PowerPointで作成したクリエイティブをコンビニで印刷。また「どんな写真が撮れるのか?」というリターンを可視化するべくサンプル写真も合わせてクリエイティブを修正。サービスの概要が伝わりやすいように改修しました。


フリーWiFiを提供

ユーザー端末のネットワーク状況によって稀にシャッターが不発に終わっていたため、メンバーの携帯名を「フリーwifi」に変更してアクセスポイントと化しました。


ユーザの反応が変わった

こうした改善の効果か、2日目にはユーザの反応が大きく変わりました。「あのカメラで撮ってくれるの?Amazing!」「自分のスマホで操作出来るの?Fantastic!」とサービスそのものに喜んでくれる方も居れば「寄付になるんだったら、喜んで撮るよ」と利用してくれる方も居り、お昼の時間には長蛇の列が出来た事も。

「遠隔から自分を撮れる」という真新しさが影響したのか、多くの方が笑顔で撮影に挑んでくれたのが印象的でした。自分達が作ったもので誰かが笑顔になるのは、やはりモノづくり冥利に尽きます

入り口から遠い撮影スポットのため来訪者数は初日より大幅に少なかったものの、二条城への寄付が大幅に増加。次回に向けた学びが多く得られました。


今後

貴重な学びは得られたものの、今回のプロトタイプに求めるITリテラシーが高すぎたように感じます。残念ながらスタッフの補助なく無人で撮影を行う段階には、ほとんど到達出来ません。そこで次回は「スマホでQRコードを読み込む」という工程を排除したマーク2を製作中。次の実証実験までにさらなる改善を目指します。5月頃には二条城に居ると思うので、見かけたらお声がけください!

Japan Digital Design株式会社's job postings
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