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【Interview】より多くの「ブランド」を強くすることができたら、社会全体が幸せになる。今の時代における「ブランド戦略」の話。

FICCには、BX事業部という部署があります。
「BX」とは、「ブランドエクスペリエンス」の略称。「企業が持つ『ブランド』の強化をお手伝いする」ことを業務とする事業部です。

今回は、そのBX事業部のメンバーのひとり、馬場雄一郎に話し手になってもらいました。
もともとデジタルエージェンシーにて、オウンドメディアなどのデジタル施策の提供に従事していた彼。Webメディア・コンテンツの企画編集を行いながらも「もっと源流の戦略から携わりたい」と考え、FICCに転職。企業の持つ諸ブランドの戦略立案に携わっています。

「なぜ今の時代にブランディングが必要なのか?」
「ブランディングとは何か?」
「そもそも『ブランド』とは何か?」

ひとつひとつの言葉について、今まさに「ブランディング」の現場で奮闘する馬場ならではの認識や定義を明らかにしながら、「ブランディングにおける意義ある仕事とは何か?」をテーマに話を聞きました。
(インタビュー・文:土門蘭、写真:永田優介)

プロフィール:
馬場雄一郎
1988年宮崎生まれ。早稲田大学商学部卒。編集プロダクションやデジタルエージェンシーにて、オウンドメディアを中心としたWebメディア・コンテンツの編集を担当。2018年FICCにコンテンツディレクターとして入社。BX事業部にて、企業の持つ諸ブランドの戦略立案を行っている。

「意味や意義を感じて仕事をしたい」

もともとは、編集プロダクションとデジタルエージェンシーで、企画と編集をやっていました。1社目ではWebコンテンツの記事などを作っていたんですが、「記事を納品しておしまい」という状況に、少しずつ疑問を感じるようになっていったんです。記事への反応がどうとか、今後はどうするとか、フィードバックを直接感じられなかったことにストレスを感じるようになっていったんですね。

また2社目でも、そのときの自分の仕事が、経営戦略の中のマーケティングの中のデジタルマーケティングの中のコンテンツマーケティングの中のオウンドメディア……っていう、小さな領域でしかできていないことに気づいて。もっと前の段階からいろんなことを決められたらいいなと思うことが多々あったんです。

僕は「人から必要とされたい」「意味や意義を感じながら仕事をしていたい」と思っていたので、より源流に行けば、意味や意義を感じながら仕事ができるのではないかなと考えました。

それで、源流からタッチできる仕事があって、しかもその知識を得るためのフレームワークも備えているFICCに転職したんです。

入社から今まで、BX(ブランドエクスペリエンスクリエイティブ)事業部というところで働いています。この事業部の役割は「企業のブランドの価値を高めるための施策を行う」こと。

FICCは、ブランドのビジネスに貢献するデジタルマーケティングをサポートしていますが、その中でBX事業部は、そもそものブランドの価値をクライアントと一緒に考えるところを行っています。

メンバーが3名の少人数部署なので、仕事の内容も多岐に渡ります。ヒアリング、提案、ディレクション、クロージングと、プロジェクト工程のすべてに携わっています。

なぜ今の時代に『ブランド』が必要か?

僕の仕事について話す前に、「なぜ今の時代に『ブランド』が必要か?」という話からしてもいいですか?これには、3つの社会的背景があるんじゃないかなと考えていて。

一つ目は、価値観の多様化がより一般的になること。すなわちマス的価値観がなくなって、マス的アプローチが成立しなくなっているということです。なので「多くのファン」ではなく、「できるだけ大きな形で価値を交換できる、少数の根強いファン」を発見する必要があります。

要はLTV(顧客生涯価値)を高めようという話になるんですが、そんなファンは、ブランドが強くないと生まれません。

二つ目は、ブランドの社会的責任が増していることです。SDGs(持続可能な開発目標)でも言われるように、企業が社会に対して責任を持ちながら接続することが求められるようになりました。

その責任の範囲が、現代では広くなっています。これからは、その責任を負える強いブランドだけが継続していくと考えています。

三つ目は、情報を得るハードルが下がっていることです。これまでならいわゆる「大本営発表」によってのみで知られていたものが、今は一般の方のSNS上での発信によってその嘘が暴かれたりと、情報の可視化・透明化が進んでいます。

そんな中で必要なのは、ブランドとしての一貫性です。どこを切り取られてもブランドとして矛盾していないこと。それがないとどこかでボロが出てしまい、ロイヤリティの低下や離反が発生します。

この3つの背景から、僕たちは「今の時代には強いブランドが必要である」と考えているんです。

そもそも「ブランド」って何でしょう?

だけど、そもそも「ブランド」って何でしょう?

FICCと深い親交のある音部大輔氏(資生堂のCMOなどを務め、現在はクー・マーケティング・カンパニー 代表取締役)は「ブランドとは『意味』である」とおっしゃっています。僕たちBXは、それをさらに噛み砕いて、ブランドとはみんなの頭の中にある「意味/記憶」であると捉えています。

たとえば、カップヌードルの味が少し変わったくらいでは売り上げは変わらないかもしれないけど、カップヌードルの「記憶」がみんなの頭の中からなくなってしまったら売れなくなりますよね。みんな、カップヌードルの「記憶」があるからカップヌードルを買うわけです

そのように、ブランドを「意味/記憶」だと捉えると、ブランディングとはその「意味/記憶」を積み上げることを指します。さらに言えば、ただ積み上げるのではなく、適正に一貫性をもって積み上げることが重要です。

透明性の時代だからこそ、これまで以上にさまざな方位から見られています。消費者、顧客、従業員、協力会社、それから未来の被雇用者……。だから製品だけではなく、経営者の発言も従業員の態度もすべてブランドを体現したものでないといけない。そのためには、そのすべてを統制するブランドの指針が必要です。

ということで、ブランディングとは、
・ブランドの行動指針をちゃんと決めること
・「意味/記憶」を適正に積み上げること

なのだと考えています。

自分の仕事は引っ張ることではなく、道を見えやすくすること

これまでの仕事で印象に残っているのは、入社後まもなく担当した案件です。クラウドファンディングを事業にしている企業の、今後のブランドの方向性を明確にするお手伝いをしました。その企業は、今後100年を見据えてどう行動するべきかを決めるフェーズで、僕がそのサポートに入ったんです。

ブランドが本当に価値を発揮する領域はどこで、相手は誰で、ベネフィットは何だろう、ということを、改めて一緒に整理しました。それを明確にするために、僕たちが使っているのが「ブランドホロタイプモデル(注)」というフレームワークです。このシートを用いて、ブランドの持つ意味・意義を明確にしていきます。

注:ブランドホロタイプモデル…ブランドの構成要素を「大義・市場/競合・消費者・ベネフィット・エクイティ・パーソナリティ・アイコン・機能/性能」に分解し、ブランドの持つ意味・意義を明確にする(資生堂などでCMOを務めたマーケター、現クー・マーケティング・カンパニー代表取締役 音部大輔氏考案)

創業者陣を中心としたプロジェクトメンバーとともに、地道にひとつひとつの要素を言語化。その経験から、僕たちの仕事は「新しいものを渡すこと」ではなく、「すでにあるものに導くこと」なんだなと思いました。ある意味、コーチングとかと言われる分野に近いのかもしれません。

言うまでもなく、経営陣のほうが、明らかに僕たちより自社のことをわかっているし、先を見据えているわけです。だから、きちんと役割分担をしないといけない。

僕は創業者やオーナー以上に事業を語ることはできないけれど、「今世界でイケてる方程式はこれです」とか「他の会社ではこんなふうにやっています」とか、知識や情報を伝えることはできる。僕の仕事は引っ張ることなんじゃなくて、道を見えやすくすることなんだなって、この案件で自分の役割がわかりました。

「ブランディング」を通して誰かを幸せにしていきたい

突然なんですけど、『シン・ゴジラ』って観ました?僕はあの映画を前職時代に観ていたんですが、すごく落ち込んだんですよ。

この人たちは日本を救うために一生懸命自分の仕事をしているのに、僕はどうしていま記事に赤字を入れているんだろうと。自分にも、もっと人を救ったり人を幸せにするような仕事ができないだろうか?と。

最初にも言いましたが、僕にはずっと「人に必要とされたい」という気持ちが強くあります。今はようやく、自分を必要としてくれる「人」が誰なのかわかってきました。

それは、「ブランド」を必要としている人たち。今は主に都市部の大企業を相手にお仕事をさせていただくことが多いですが、これからはもっと領域を広げて、地方の企業や自治体など、地方で新しいことに挑戦しようとしている人たちにも価値を渡していきたいと思っています。

そしていつか自分の地元の宮崎にも、「ブランド戦略」を通して恩返しできたらいいなということも思っているんです。

僕は、より多くの「ブランド」を強くすることができたら、社会全体が幸せになると信じています。社会的責任をきちんと背負い、理想的な社会を実現しようとがんばる企業が増えれば、世界はもっと良くなる。そう信じて、ブランディングの仕事をしています。だから僕は、あのとき観た『シン・ゴジラ』に鼓舞されて働いているところがある気がするんですよね(笑)。


プロデューサー
日本のブランドを強くする。企業のブランド強化事業部でプロデューサーを募集
FICCは、主に日本のナショナルクライアントのマーケティング戦略の構築から施策の実施まで、広い領域でマーケティング活動を支援しています。 今回は、そのなかでも企業が持つ「ブランド」強化のお手伝いをするBX(ブランドエクスペリエンスクリエイティブ)事業部で仲間を募集しています。 BX事業部のミッションは、強いブランドを企業とともに創り上げることです。そのために企業の創業者やCMO、ブランドマネージャーとディスカッションを行い、ブランドがどうあるべきか、どういう価値を発揮すべきかを一緒に考えます。 そうして、今後のブランド戦略とマーケティング戦略の基礎を立ち上げます。 実際にこのようなことを行っています。 ・新製品のコンセプト開発 ・日本を代表する伝統企業の新規事業ブランドの立ち上げサポート ・世代交代による課題を抱えた企業のカンパニーブランディング ・インナーブランディング/デザイン組織の提案 ブランドをとりまく広い領域で活動しているのが、私たちBX事業部です。
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