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予算がない…とお嘆きのマーケ担当者の方へ。ヤッホーブルーイング式マーケティング術

「よなよなエール」「水曜日のネコ」「インドの青鬼」など、個性的なネーミングとパッケージのクラフトビールを、コンビニやスーパーで見かけたことがある人は多いと思います。


これらのビールを手がけているのは、軽井沢に隣接する長野県佐久市に醸造所を構えるヤッホーブルーイング。クラフトビール業界のトップランナーです。


ビール業界全体のシェアから見るとクラフトビールのシェアは約1%と言われていますが、ヤッホーブルーイングの知名度は全国レベル。ここ数年の売上高も連続増収・増益を記録しています。

広告をバンバン売っているわけじゃないのに、なぜか話題になって、いつの間にか気になる存在になっている

こいつは何かあるに違いないと思って、ヤッホーブルーイング的ブランディング&マーケティング術を広報の道本さんと太田さんに伺ってきました!


詳しくは上記インタビュー記事を読んでいただきたいのですが、ここではヤッホーブルーイングがなぜ成功したのかについて、ポイントを解説したいと思います。


100人に1人の熱狂的ファンを知り尽くす!「圧倒的差別化」

ヤッホーブルーイングは個別ブランド戦略をとっています。

個別ブランド戦略とは
【英】house of brands strategy
個別ブランド戦略とは独立し個別ブランドの影響力を最大化させる戦略をいう。ブランド間のシナジー効果は期待できないが個々のブランドを明確にポジショニングできる。

出典:トライベック・ブランド戦略研究所


よなよなエール、水曜日のネコなど、ブランドごとにコンセプトやポジショニングが異なり、コミュニケーション方法やマーケティング戦略も違います。

ただ、どのブランドにも共通しているのが、とことん差別化するということ。同社では、それを「圧倒的差別化」と表現しています。


道本さん:共通していることは、私たちは「圧倒的差別化」というふうに言っているんですけれども、ビール市場にあとから参入した立場として、とことん差別化することが全てのブランドにおいて柱になっています。

たとえば、水曜日のネコ。


彼らは市場調査を行い、クラフトビールメーカーが白ビールに参入し始めていることから、フルライン戦略の一環として白ビールを投入することに決めます。また、当時は女性向けのビールがそこまで市場に浸透していなかったため、「女性向けの白ビール」に狙いを定めました。

大手メーカーの場合、通常はここからN数の大きいデータを調査・分析してコンセプト策定やターゲット選定をしていくのが王道です。

しかし、ヤッホーブルーイングはターゲットにふさわしいと思った数十名とじっくり話すことに全力を注ぎます。どんなことが好きで、どんな過ごし方をしているのかなど、その人たちのことを徹底的に知り尽くそうとしたのです。

そこから想像を膨らませていき、「この人に飲んでほしいってどんなビールだろう?」と考えて、コンセプトに落とし込んでいくのです。


道本さん:私たちは、とにかくターゲットを狭く、100人に1人の熱狂的なファンを見つけることを大事にしています。マスを捨てて個にフォーカスする。

このように100人に1人の個にフォーカスして生まれたのが、下記のようなペルソナです。


どうでしょう?みなさんのまわりにも、こんな人いませんか?(笑)

この人が平日の夜、オフタイムにちょっとリセットできるビールとして生まれたのが「水曜日のネコ」。

ネーミングやパッケージが独特なのでクリエイティブに目がいきがちですが、マーケティング発想の面と、コンセプチュアルな面の双方がうまく融合している点が、ヤッホーブルーイングの「圧倒的差別化」の真の強さではないかと思います。


ビールのブルーオーシャンを発見!「ポジショニング戦略」

今回お話を聞いて面白いと思ったのは、「水曜日のネコ」が「中目黒や自由が丘に住んでいる30歳前後の独身女性が、平日に家で飲むお酒」というポジションを狙ったことです。

このポジションには缶チューハイやハイボールなどが君臨していて、そもそもビール自体が選ばれていなかったのです。

つまり、そこはビールにとってのブルーオーシャンとも言えます。


クラフトビールは、確かにビール市場という括りで見ると1%の世界かもしれません。

しかし、ヤッホーブルーイングは「若い女性の家飲み」という既存のビールとは異なる市場に挑戦し、見事にポジションを築くことに成功しました。

彼女たちに平日に家で飲むお酒の一つにビールという選択肢をもたらしたことが同社の革新的な部分であり、知名度を飛躍的に高めた要因の一つではないかと思うのです。


今の時代にマッチした「知的な変わり者」というエッセンス

ヤッホーブルーイングには「ガッホー文化」という組織文化があります。


これは、星野リゾートの「Gung ho!(ガンホー)文化」という組織文化をベースにしていて、そこに「知的な変わり者」というエッセンスを加えたものになります(ヤッホーブルーイングは星野リゾートの星野佳路さんが立ち上げた会社です)。

お客様に喜んでほしいという「究極の顧客志向」が大前提として存在し、さらに知性を持ちながらも、枠にとらわれない発想や個性を大切にする。

日経の映えある表彰式で、大手企業のお偉いさんに混じりながら井手直行社長だけが仮装をして笑いを誘ったり、「僕ビール、君ビール。」のパッケージを見つけたらSNSでアップしてもらうキャンペーン「カエル捕獲大作戦」が異様な盛り上がりを見せたりと、どこかツッコミたくなるようなコミュニケーションが生まれているのは、「知的な変わり者」から醸し出される親しみやすい雰囲気がそうさせているのではないでしょうか。


TV番組「マツコの知らない世界」や「月曜から夜ふかし」では、いろいろな領域の愛すべき「変わり者」が登場して人気を呼んでいます。「変わり者」とは、今の時代に求められている存在のような気もするのです。


しかも、彼らはただの変わり者ではなく、高いホスピタリティ精神を持った「知的な変わり者」。こうしたコンセプトを一つひとつの製品、メディア、コミュニケーションに徹底的に浸透させています。

それが、ヤッホーブルーイングがここまで愛されるブランドに成長した大きな理由ではないかと思うのです。


以上、ヤッホーブルーイングのブランディング&マーケティング術について解説しました。

まさにブランディングの教科書と言えるヤッホーブルーイングの戦略。もっと詳しく知りたい方は、是非こちらのインタビューもご覧ください!!


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