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いま明かされる、社長交代の舞台裏——世代が変わっても引き継がれるアバナードのDNAとは【後編】

▲左:現・代表取締役の安間、右:元・代表取締役の石川(当時のオフィスにて)


「15周年記念特別インタビューシリーズ」第4回は、前回に引き続き2014年の代表交代の舞台裏に迫ります。

後編となる本記事では、二代目代表として安間さんが選ばれた理由とともに、石川さんから安間さんへと引き継がれるアバナードのDNAを紐解きます。

石川 敬(いしかわ たかし)/元・代表取締役
早稲田大学教育学部卒業後、アーサーアンダーセン(現・アクセンチュア)に入社。2000年にパートナーへ昇格し、通信・ハイテク、リソースマーケットの両業界で、大規模システムの実装を数多く指揮する。その後、マイクロソフト・ソリューションズ・オーガニゼーション(MSO)を立ち上げ牽引し、 2005年にアバナードを設立。代表取締役を約9年間務め、2014年に退任。

安間 裕(あんま ゆたか)/現・代表取締役
明治大学文学部卒業後、団体系保険会社、外資系商社を経て、1998年にアクセンチュアに入社。その後外資系広告代理店を経て、2001年に再度アクセンチュアに入社し、アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズ株式会社の設立に参画し、2002年8月同社代表取締役社長に就任。2009年、アクセンチュア株式会社 執行役員アウトソーシング本部長、2010年執行役員ビジネスプロセス・アウトソーシング統括本部長を歴任し、国内ITコンサルティングファームの経営に携わった後、2014年4月アバナードに入社。5月に代表取締役に就任。

全てのステークホルダーをハッピーにできるのは安間さんしかいない

ー ここまでは、アバナード創業から退くタイミングについて伺ってきましたが、いよいよ、安間さん指名の理由を教えてください。

石川:日本のアバナードには、様々なステークホルダーが存在します。関わりの深い関連企業だけでも、アバナードのグローバルはもちろん、マイクロソフトの日本とグローバル、アクセンチュアも日本とグローバルがあり、みんなが日本のアバナードのことを気に掛けるわけです。

良い言い方をすれば、みんなの期待があるという意味ですが、それらすべての期待に答えていくと、アバナードの独自色がどんどんと消えていってしまって、空中分解してしまいます。

マイクロソフトのソリューション普及のため、わざわざアバナードという別会社を置くことで、ある程度フリーハンドでビジネスを成長させられる良いエコシステムを作っているのに、周りの期待やプレッシャーによって、そのシステムを壊してしまうわけにはいきません。ですから、彼らの協力を得つつも、高い防御力を持っておくことはとても重要なことなんです。

さらには、高い防御力を持ちながらも、防御の仕方が一方的に跳ね返すだけというやり方であってもいけません。理想としては、全員がハッピーなるように、みんなを骨抜きにしちゃうみたいな跳ね返し方ができれば最高(笑)

そうやってみんなをハッピーにしながら、日本のアバナードのポジションをきちんと確立することも、次に必要なステップだと思っていました。そして、みんなを骨抜きできるのは僕の知り合いや関係者のなかでは一人しかいなかったんですよ。


ー 唯一の存在が、安間さんだったというわけですね。安間さん、ご指名を受けたときのお気持ちはいかがでしたか?

安間:お話をいただいた時は、とてもワクワクしたのと同時に、先の石川さんのお話にあったように、ロケットの巡航状態近くまで到達したアバナードを、失速させるわけにはいかないという決意がありました。

ただ、石川さんのやり方を完全に踏襲するつもりはありませんでした。魂の根っこは同じですが、石川さんと僕とではアプローチの仕方が違うので、大事な軸ををぶらさない形で、どう第二弾のロケットを発射させようかと、模索しながらでしたね。


アクセルを踏んだ2014年

ー 石川さんは、安間さんの活躍をどう見ていらっしゃいましたか?

石川:驚きはなかったですよ。もちろん、いい意味です。

僕は、目の前の問題を1つ1つ解決しながら、道を切り開いていくタイプですが、安間さんはここぞと決めたらパッと舵を切って、スピード感を持って一気に拡大するタイプです。

切り替えの2014年というのは、まさに安間さんのやり方がマッチするタイミングでしたし、第一段ロケットのあとは、絶対に第二段じゃなきゃいけないんです。

同じやり方をするんだったら、わざわざ交代する必要がないですからね。安間さんらしく、着実にアバナードを成長路線に乗せていらっしゃいますよね。


あとは、新型コロナウイルス感染症によって、世界は大きく変わっているじゃないですか。

このみんなが変わらなきゃいけない時に役に立てるのがアバナードという会社です。今まさにアバナードが活躍する時代が来ているなと感じています。

それと同時に、この状況下の代表が安間さんで良かったなとも思っています。

安心して見守っていられますし、その一方で、むちゃくちゃに忙しいだろうな、とも。


安間:そうですね。これまで以上に、お客様がアバナードを頼りにしてくださっています。

それに、今は全社テレワーク中です。オフィスで仕事をしている時には、打ち合わせの合間に休憩があったんですが、今はもう次から次へと息つく間もなく打ち合わせなので、そういう意味でも今が一番忙しいかもしれませんね(笑)


いまが一番面白い、この先はもっと面白い

安間:僕は、IT系組織のマネジメントに携わって20年近くになりますが、今が一番面白いと思っているんです。それは過去が面白くなかったという意味ではなく、徐々に面白さが増してきて、今がピークという感じ。だから、今後はもっともっと面白くなるという確信があります。

人の言葉を借りるならば、チャップリンが「あなたが一番好きな映画は何ですか?」と聞かれて「次の映画です」と答えたように、今まさにその言葉を使わせてもらいたい時です。

面白さにはもちろんマーケットの状態やプロジェクトの内容という観点も関わってきますが、面白さに一番大きな影響を与えてくれるのは、一緒に仕事をしてくれている仲間です。今一緒にいる仲間と「次に作る映画のほうが面白いぜ」って自信をもって言えるような会社でいられること、そしてその会社の代表でいられることは、本当に幸せなことだと思っています。

現在のアバナードというのは、石川さんがデッサンとしてアバナードの輪郭を描き、そこに僕がラフに色を塗り、キャンパスと絵の具は用意できているという状態です。これをさらに素晴らしい絵にしていくのは、決して僕らの世代ではない。僕たちの次の世代の方々なんです。

そういう意味で、今の仲間と次の世代にバトンタッチをしていくことも幸せだなと思いますし、次の世代が作るもっともっと面白い未来を想像してみると、バトンタッチをすることもきっと楽しい仕事なんだろうなと思っています。


100万人になってもイノベーティブな組織を

ー 最後に、石川さんからメッセージをいただきたいです。

石川:僕はこれまで、本当にたくさんの企業と一緒に仕事をしてきました。パートナーだけではなくライバルになるような会社ともたくさん仕事をしてきましたし、その中で、彼らのヘッドクォーターに足を運ぶことが何度もありました。

そうして数多ある企業をみてきた中で、マイクロソフトという企業は特別に感じられました。何が特別かというと、それは職場に流れる雰囲気です。

マイクロソフト社員は誰もスーツは着用せず、Tシャツに短パンというような出で立ち。そんな姿で、バスケットボールを片手にドリブルしながら廊下を歩いているんですよ。本当にふざけているんですが、僕は「そんなふざけたことばかりやっているから、新しいアイディアやイノベーションがうまれてくるんだろうな」と思ったんです。

やっぱり常にイノベーションを考えている人たちというのは、とてもリラックスしていてカジュアルなんですよね。

そのイノベーションの反対にあたるのが、すごい堅苦しくて、抜け目がない、石を積み上げるように進めていく、そんな取り組み方です。

僕がいたアクセンチュアという会社も1000人、2000人ぐらいの規模の時は、風通しが非常に良くて、リラックスしていてとてもカジュアルだったんです。そのようなカルチャーが、彼らの驚異的な成長やコンサル力の源となっていたと確信しています。

僕は、アバナードという組織には、どれだけ規模が大きくなってもイノベーティブでありたいと思っていましたし、そういう雰囲気をどうやって維持すればいいのかとすごく考えていました。


では、今のアバナードはどうでしょう。

それは、今の安間さん率いる時代も同じだと思います。なぜなら、見ていて楽しそうですもんね。

今後100万人という大きな組織になっても、リラックスしていてカジュアルな、イノベーティブな存在であってほしいですね。

みんなができると思えば、絶対に実現可能ですからね。


ー メッセージを受けて、安間さんから今後の展望を聞かせてください。

安間:石川さんがおっしゃる通り、いつまでもイノベーティブな組織でいたいですね。

最近では、毎週水曜日をクリエイティブデーとして、好きなことに取り組める日を設けています。

そこでは、CTIOの星野さんを筆頭に、若い社員が新しいことにどんどん挑戦しています。

僕の知らないところで、IoTでビールは作り始めるわ、3Dプリンタを買ってきて実験を始めるわで、もう好き放題(笑)見ていて、最高に面白いです。


人は、挑戦して失敗して成功に向かう過程で必ず学習していきます。どんどん進化を重ねていくんです。教育やトレーニングも重要ですが、何度も申し上げるように、アバナードはその失敗を促せる組織であり続けたい。

石川さんのお言葉にあった組織像を僕も目指していますし、次の世代を担う方々にそのDNAを伝えて、アバナードの遺伝子として持ち続けてもらいたいと願っています。


▲オンラインインタビューの一コマ(左:石川、右:安間)

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